ある日のこと、結婚を前にした処女マリアのもとに天使ガブリエルがやって来て、マリアが身籠ったことを告げました。祝福の言葉を聞いて動揺するマリアに天使は答えます。
「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。神にできないことは何一つない。」マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。
(ルカによる福音書)
イエスが生まれたとき、イエスと家族のもとに東の国から占星術の学者(マギ)たちがお祝いに訪ねて来ました。最初のクリスマスです。
東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
(マタイによる福音書)
イエスが故郷ナザレに帰って教えを説き始めたとき、人々は「この人は大工ではないか」と言ったと聖書に記されています。
大工ヨセフの息子として育ったイエスが、仕事に励む父親の真摯な姿を見て育ち、幼い頃からその仕事を手伝っていたであろうことは想像に難くありません。きっと彼自身も、その手作業を楽しんでいたことでしょう。イエスは後に、その手を使って多くの病める人々を癒しました。
(マルコによる福音書)
たくましく育ったイエスは、知恵に満ち、神の恵みに包まれていました。ステンドグラスは、12歳のイエスが両親とのエルサレムへの旅の途中で行方知れずになってしまったエピソードが描かれています。
それから、親類や知人の間を捜し回ったが、見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。
(ルカによる福音書)
イエスに触れさせようと人々が子供たちを連れて来ると、弟子たちはこれを叱って止めさせました。するとイエスは憤って弟子たちにこう言いました。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。
(マルコによる福音書)
サクラメントとは、人と神を仲介し、神の恵みを人に与える教会の儀式で、日本では秘蹟、機密、聖奠、礼典など教派によって呼び方が異なります。
ローマ・カトリック教会では、洗礼、聖体、婚姻、叙階、堅信、ゆるしの秘蹟(告解)、終油の秘蹟(現在は病者の塗油)と呼ばれる7つのサクラメントが定められていて、このステンドグラスには、カトリックの伝統に則り、臨終の床にあるイエスの養父ヨセフに最後のサクラメントを授けるイエスと、これに付き添うマリアの姿が描かれています。
弟子たちとの最後の晩餐の後、イエスはオリーブ山と呼ばれる場所へ祈るために出かけました。その祈りは、目前に迫った苦難に対して、最後まで神のみ思いに従おうとするイエスの決意表明でもありました。
「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」すると、天使が天から現れてイエスを力づけた。
(ルカによる福音書)
十字架の刑により亡くなったイエスは3日目に甦り、死からの復活、永遠の命が本当にあることを身を以て弟子たちに教えました。ステンドグラスには驚きうろたえるローマ兵や、墓を訪ねたマリアの姿が生き生きと描かれています。
婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、そばにいた二人の人が言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。
(ルカによる福音書)
死者の中から甦ったイエスは40日間弟子たちとともに過ごすと、やがて再び地上に戻るという約束を置いて、彼らの目の前で天に上げられました。
「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。
(使徒言行録)
イエス・キリストの母として知られ、もっとも敬虔な信仰者のひとりとして多くの尊敬を集めるマリア。彼女が亡くなった後、天から冠を授かったという信仰がもとになったステンドグラスです。冠は、正しい信仰の道であるイエス・キリストに従いとおした証として、神からいただく報酬で、聖書には「義の栄冠」、「命の冠」などと記されています。